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★冴川兄弟のドタバタ珍騒動 第一章 009
蒼が不思議なことになっている間にその向かっている先の家のほうでは拓也が紅につられてうとうとと寝ていた。拓也がベットを占領し始めたころ紅が目を覚ました。いつもと違う部屋の景色に一瞬ここはどこだろうかと考えたが、見慣れたポスターを見つけ蒼の部屋だとわかる。何故こんなところで寝ているのか・・・・・・と思いつつも自分の部屋に戻ろうと 起き上がろうとしたところで拓也が上に乗っかっていることに気づいた。
・・・一体なにがどうなってるんだ・・・
心地よさそうに寝ている拓也をどかそうと思ったのだがなかなか重たい。どうにかどかそうとしているとふと何か冷たいものが側を横切った気がした。周りを寝ぼけた顔で見回すとなにやら白っぽいものが揺れていたのだが、目が悪くてぼやけているのだろうと思ってそのまま何事もなかったかのように再び拓也を起こしにかかる。その時拓也が急に起きた。
「紅、俺から離れるなよ。」
そういうと拓也を起こそうとしていた紅をベッドに押さえつける。
「なっ!?」
「静かにしてろ。お前見えてないだろ」
「何のことだ!?」
「今そこに何かいるだろが」
拓也の言うとおり部屋は白い霧で覆われはじめていた。
「拓也・・・・・・何故君がここに。それにベットにいるのも良く分からないんだが・・・」
「今はそんな事言ってる場合じゃないだろ。この霧なんだかおかしいだろ」
「霧?別にみえないよ」
紅は状況が行く分かっていないようだった。
「そろそろ自分の部屋に戻りたいんだ。この手を離してくれないか。苦しい」
「お前・・・。このまま襲うぞ。」
「な!?」
何を言っているんだと紅が一瞬固まると「そのまんまじっとしてろ」とまたベッドに押し込まれる。
しばらくそのまま周囲をうかがっていたが何も変化はない。
拓也はしばらく紅を押さえていたがふと紅の瞳が紅くなったように感じた。その瞬間紅の周りを包んで、一瞬にして姿が見えなくなるほどの濃い霧があたりに散る。
「紅!」
拓也が気づいたときには紅の意識はすでにないようだった。徐々に拓也にも白い霧がまとわりついてくる。身体を動かそうとしてもしびれてきて動かない。どうやら白い霧に捕まってしまったようだ。
「ちっくしょ・・・」
何とかそれだけ言うことができたが今にも気を失ってしまいそうだった。だがそれもほんの少しの間だけだった。蒼が帰ってきたのである。
部屋の入り口に蒼の姿が見えたかと思うと
「幽霊やろう!紅兄にも手を出しやがって!」
叫ぶと紅の方に向かう。そのとき奇妙なことが起こった。白かったきりが紅くなったのである。それも激しく燃えるように。だが炎でもなく「気」というものに当てはまるのだろう。触っても平気だが風が取り巻いて近くによることができない。
蒼はただ呆然とその光景を眺めていた。紅くなった瞳をしきりに動かしてあるものを追っている紅と、その紅におわれている小さな変わった生き物を。
紅とその変わった生き物は、互いに「気」らしいもので張り合っていた。紅はいつもとは何か違い、さめた表情で相手を見下ろしている。そして変わった生き物の方は、口を動かして何か唱えている。
小さい身体にかわいらしい手足。二頭身のためだろうかほとんど目と口だけしか見ることができない。それでもこんな小さいのが霧を操っていたのは確かだろう。
小さい生き物から青緑の変わったツタがでてきた。それはくねくねと目標をしだすように動いていたと思うと、講に向かって鋭く伸び始めた。さっきとは打って変わり、くねくねなどと生易しいものではなく、金属物のように堅くなっているようだった。
光波自分に向かって伸びたツタを軽くよけるとそのツタを紅い「気」で燃やして今度は鳥を出すと変わった生き物にむけて放った。
部屋中が紅くなり紅と変わった生き物が戦っている間に気を失っていた拓也の姿が霧の中からでてきた。蒼は紅と変わった生き物の戦いを見るのを一時中断して、拓也を助け起こした。
拓也は意識はあるのだがしびれて動けないでいるので、そのまま放っておくこともできず蒼は拓也をかばうようにしてしゃがんだ。
紅たちはそろそろ決着が着きそうだった。変わった生き物の周りにさっきの紅い鳥が包むようにして奮然と飛んでいる。この状況で動くことは難しい。
少し時間が経ってそろそろ終わりかと思った時、代わった生き物の姿が変わり始めた。身体が一回り、大きくなったようだった。気のせいではなく実際に大きくなっていて、その形もなにやら変わってきた。
「人だったのか・・・・・・それとも・・・子供?」
蒼はつぶやいた。
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