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★冴川兄弟のドタバタ珍騒動 第二章 002
結局そのあとははぐらかされっぱなしだったけど。分かったことはここがクロスというところなんだということぐらいだった。
いつの間にか雨もやんでいて、周りが随分明るくなっていることにいづいたのは大分経ってからだった。
拓也といったあの子と遊んでいたのはどれくらいだったのか。気づいたら夜になっていて、帰らないといけないと思った時に気づいたんだ。
「僕、どうやって家に帰ればいいの?」
拓也に聞いた自分はまだ幼かったのだろう。そんな紅に拓也は少し周りを見渡して「こっち」といって連れて行ってくれた。そんな拓也も当時の紅と同じくらいの年にしか見えなかった。
連れて行ってくれた場所はひっそりとそびえ立つ神殿だった。ヨルダンのぺトラのような入り口から中に入ると泉が見えた。
「これをもってあの中に入れば、きっと帰れるよ」
そういわれて、さっきたくさん咲いていた花を持たされて、泉の中に入った。そして、たしか約束をしたんだ。
「もし僕が・・・・・・」
拓也の手が僕の目を覆って熱くなって・・・・・・そのまま意識を手放した。
気づいたら親が目の前にいて、びっくりした。
「屋根裏部屋には入っちゃいけないと言っていただろう」
「ごめんなさい」
あとで聞いた話だが、僕は「乱丸」の前でびしょびしょに濡れて寝ていたらしい。手には拓也に渡された花が一輪だけ残っていた。
* * *
ふわふわとゆっくり降りた場所には、小さい頃と同じようにかわいらしい花が咲いていた。あの頃と違うのは拓也といったあの子がいないだけ。変わりに今回は樹斗がいた。
ゆっくりとあとからおりてくる樹斗を支えると「乱丸」のさやはその上から紅の差し伸べた手をすり抜けて、樹斗の身体に入るように消えてしまった。
一瞬何が起こったのかよく分からなかったが、特に害がなさそうなので、とりあえず樹斗を起こすことにした。どんな時でも動じない紅である。
「樹斗。起きなさい」
ほっぺたを軽くたたく。が、それだけでは起きそうになかった。今度は身体を揺すってみる。だがやはり起きる気配はない。
仕方なく樹斗を背負って歩き始めた。
子供の頃着たときとそんなに変わっていない。目線は高くなったが・・・。
あの時拓也といったあの子は神殿に連れて行ってくれた。もしかしたら神殿にいるかもしれない。
辺りを見渡すと一面がお花畑だった。視界に左手に何か建物らしいものが見えたのでそっちに進むことにした。
あの時長かった道も、今ではさほど長くはない。すぐにその建物についた。
まるで時が止まっているのではないかと思わせるほど静かだった。
「やっぱりきたな、紅」
上からいきなり声がした。聞きなれた声だった。
「拓也?」
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