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★冴川兄弟のドタバタ珍騒動 第二章 007
面白そうに、だが絶対嫌味だ。静司のお得意は兄ちゃんいびりだ。動けるようになったらそれ相応のことはさせてもらうぞ。
「0じゃなくて、消えちまったぜ。紅兄動けるか?」
身体を支えてもらって情けないが、なぜか力を吸い取られたみたいに身体が動かなかった。固定するために立たされた状態で固まったように動けなかったのに、それが解けたら疲労で立てないとは。
「情けないよ。俺たちが来なかったらどうするつもりだったの?」
そんなことをいいながら紅をかかえて休むところを探す。蒼はさっさと走って場所をみつける。
「ちょっとまたやせたんじゃないの?軽すぎるよ」
休めそうなところにおろすとき、静司が言った。それが思いやりなのか、僻みなのかはよくわからない。
静司は冴川家の次男坊だ。なかなか整ったかおだちをしていて美形、紅より背が高い。大抵のことはそつなくこなす。特に得意なのはスポーツだが本人はそれを隠す傾向にある。性格はイタズラ好きの悪がきだろう。蒼もその影響をうけていると紅は考えている。
「ところで、拓也さんと樹斗はどうしたんだ紅兄」
心配そうにたずねる蒼に紅ははなしにくかった。だが隠していることはできない。紅は今までの分かる限りのことを話した。
「実は・・・」
* * *
「なんだよそれ」
そういったきり蒼は黙ってしまった。
「紅のその疲れを取ってから出かけよう。ここで話しているだけでは何も始まらないけど、そんな身体じゃ歩けないだろう」
いたって前向きな静司の言葉に二人はうなずいた。
行かないといけないのだ。樹斗を取り返しに。
* * *
夕方くらいに紅は目を覚ました。一日くらい寝たのだろうか、身体が楽になった。そばでは蒼が寝ていた。この場所は、気づかなかったが神殿の中のようだった。
前に拓也につれてきてもらったのとは違うが白い柱が中央にある泉に向かって何本か建っている。泉には三段の階段を上がっていくようだ。ここの泉もあの神殿と同じようにどこかへ通じているのだろうか。
「白い色で包まれたこの神殿には、治癒効果があるんだって」
後ろから声をかけて来たのは静司だった。その手に何やら分厚い書物が握られている。白い書物だ。それに赤、青、黒、黄、緑の書物。
「いったいどうしたんだ?その書物は」
「ここ以外にも似たような場所がたくさんあったんで調べてたら隠し部屋を見つけたんだよ。なかなか面白いところだね。いまいち使いかたがわからないもんでもてあましてたところでこの本を見つけたんだ。読む?」
しゃがんで手の中から一つの書物を取り出して紅に渡す。手渡された赤い書物を開けてみると、中には見たことのない器具が書かれていた。
「これは・・・こんなことができるのか?」
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