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★冴川兄弟のドタバタ珍騒動 第二章 008
先を読んでいた静司が付け足して説明する。
「その本は、特殊な能力を持ったものが書かれているみたいなんだ。たとえば何かを宮殿にしたり、植物にしたりね。後ろのほうをみてみな。見かけたことのあるものが載ってるから」
言われたとおりに後ろのほうをみてみる。特に知っているようなものはなさそうだが・・・
パラパラめくっていると、少し折り目がついているページがあった。そこには
「これは乱丸じゃないか。これのどこが・・・静司。ここにかいてあることは本当のことなのか?もしそうだとしたら大変なことになる。どの世界もめちゃくちゃだ」
読んでいる紅の手が震えている。それだけ書いてあることが危険なことなのだ。
「乱丸の能力は争いを起こすこと。ひとたび掲げれば憎しみで心が埋め尽くされ争いがおきる。かつて大規模に使われたのは日本の幕末。この剣が生まれたときだ。その後は小心者が使っていたためたいしたことは起きていないらしい。乱丸は使うものの心による。心の強いものほど乱丸の能力は引き出される」
静司は淡々と説明する。だが静司にも事の重大さは分かっている。もしこの刀を拓也がつかったならば間違いなく影響は広い範囲に起こるだろう。
「とりあえず乱丸はそういうものらしいよ。間違っても使おうなんて思わないでね」
「こんな恐ろしいものを使おうという奴の気が知れないね」
それを聞いて静司はいきなり笑い出してしまった。
「ああ、紅が使ってもきっとそんなたいしたことはないかもしれないけど」
「いきなり何を言うんだ」
笑いをかろうじて抑えているような静司はふざけた調子でいった。
「だってそうだろう、小心者が使ってもたいしたことは起きないって書いてあるんだから」
「僕が小心者だといいたいのか」
「そうだよ」
紅はすこし考えてみた。たしかに小心者にはそんなに価値のないものかもしれないが
「もし僕が小心者じゃなかったら拓也の二の舞をしたのだろうか」
真面目になっていきなり言う紅に静司はたじろいだが言葉ではこういった。
「そんなの紅しだいだろ?深く考えなくていいと思うけど。それよりほかにも見ておきたいものがあるんだ。こっちのも見てくれ」
今度は蒼い書物をとりだす。
「これはワープゾーンのことが書いてあるんだけど、なかなかいいのがなくてね。結局は歩いていくしかなさそうなんだけど、とりあえずこんなものがあるっていうのを知っていてほしいんだ。それに帰るときはこの中のどれで帰ればいいのかがのっているからね」
「やけに楽しそうだな。何がそんなに楽しいんだ?」
紅がいうと静司は笑い出した。軽く抑えていたが、
「だって久しぶりに会った紅ってば、いつもと変わらずなんだもん」
呆気にとられている紅をよそに静司はまた話し始めた。
「で、そうなると必要なものはだ、ここにある・・・そこの緑の本とってくれない」
紅は静司に緑の本渡す。
「サンキュ。・・・とあった。この地図なんだよね」
そこに広げられた地図にはこのクロスという場所を含めて、三つ大きく書かれていた。
ひとつはアメゴ、もうひとつはビュオラ、今回行くのはビュオラの方だ。
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