★冴川兄弟のドタバタ珍騒動 第二章 009

「そこで、ルートを割り出してみたり何があるのか調べていたらだね。こんなことになったんだよね」

上にもう一枚薄い紙を広げる。

「やけに準備がいいな・・・」
「それはもちろん、こんなところさっさとおさらばしたいからさ」

いいながら黒い書物を取り出す。

「この黒い本によるとその地図の森みたいなところにかかるときには白い本の72ページに書いてある小道具を持っていた方がいいみたいだ」
「それだけ見方がわかるなんて静司、いつから地図につよくなったんだ?」
「これが子供向けのやさしい本だからさ。誰かが小さい子供のために作ってあげたんだろう」
静司の手の中にある書物を見て紅は納得した。だが、おかしな点に気づいた。
「人の姿は見えないけど・・・」
「作ったのが人とは限らないだろう?ここにどんな奴が住んでいるのかなんてわからないからな。それに、こんなところに神殿があるんだから誰かが居たと過去形にすれば考えられるだろう。拓也先輩のように人は居たかもしれない」

まるで、一度考えた結果を言ったようだったが、紅はそれで満足した。

「それで、あの黄色い書物は?」
「あれはあけたらいけないらしいよ。今まで見てきた本の裏表紙を見てみな」
近くにあった青い書物の裏表紙をみてみる」
「黄色い書物は開いてはいけません」
青い字でそう書かれていた。
「今まで見てきた本がおいてえあったところと、その本があったところとでは造りが違っていてね。あまり開ける気になれなかったんだ」
確かに書物の模様もほかのものとは違う。この書物には丸い石が埋められていて明らかにほかのとは一緒にするなといったところがある。
「で、これはどうするつもりなのかな?優秀な静司君」
「いきなり何言ってんだか。これは元のところに起きたいんだけど、その場所にはもう行けそうにないんでそのまま持ってることにした」

不思議な書物だ。重さが感じられない。さて、これからどうするか。一通り話が終わると、またあたりは静かになった。泉に流れる水のお供、耳を凝らさなければ聞こえなかったのに、今では特に何もしないでも勝手に耳に入ってくる。

「そういえば、蒼にこの事を・・・」
「もちろん話して、小道具の材料を取ってきてもらった」
「僕は何日くらい寝ていた?」
「三日間ぐっすり寝てたよ。こっちは忙しかったのにさ」
随分と長い間寝てしまっていたようだ。そういえば、一週間ぐらいねていないんだっけ。それでつらいから家に帰ると寝るにも樹斗が出掛けるというから心配で・・・
「随分とためてたんじゃない?身体に悪いから毎日6時間は寝ないと、身がもたないよ。最近急激にやせたのもそのせいじゃない?」
「どうして寝てないって分かったんだ?」





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